お茶は何千年もの間、人類とともに歩んできました。
遡ること約五千年。農業と薬草の祖と仰がれる中国の伝説的な皇帝・神農が、山々で薬草を調べていた時のことです。山中で水を沸かしていたところ、風に舞った茶の葉が偶然、鍋の中へ。立ち上る爽やかな香りに誘われ、その一杯を口にした彼は、お茶に身体を清める作用があることをみいだしたのです。これが、今も語り継がれる人類とお茶が出会った瞬間です。
『医食同源』の考えが根付く中国では、古来よりそれぞれのお茶には、それぞれ違った性質があると考えられてきました。
例えば、冬の寒さに寄り添い、ポカポカとした温もりを届けてくれるお茶もあれば、夏の暑さをすっきりと鎮めてくれるお茶もあります。季節の移ろいやその時の気分に合わせて、自分にぴったりな一杯を選ぶ。そうすることで、日常に心地よい調和が生まれ、心豊かなひとときを愉しむことができるのです。

お茶の醍醐味は、それぞれの個性を理解し、数多ある選択肢の中から、今の自分に最適なものを見極めることにあります。移ろう季節のなかで日々の生活にお茶を取り入れ、無理なく健やかさを育んでいく。その穏やかな営みのなかにこそ、お茶の真髄があるのです。
寒い冬に嬉しい、温もりのお茶
紅茶&黒茶(プーアル茶)
寒い季節、毎日のコンディションを整えるには温かな一杯が欠かせません。お茶の持つ自然の力が、冬の穏やかな毎日を優しく支えてくれます。
特に紅茶や黒茶(プーアル茶など)は、その芳醇なコクと深みのある香りが、寒い時期のひとときにぴったり。中国では古くから、これらのお茶が持つ豊かな個性が、冬を健やかに過ごすためのお供として親しまれてきました。じっくりと引き出された発酵の深みは、一口ごとに内側からじんわりと温もりが広がるような、心地よい充足感をもたらしてくれます。
ウッディで奥行きのある「Mei Zu Qing shū(梅子箐熟)」プーアル熟茶がベース。このお茶の大地を思わせる温かみが、冬らしい深みをもたらします。甘いクコの実と、蜂蜜のような香りの雲南紅茶は、明るく心安らぐ甘さで全体の印象を和らげます。クコの実には、アミノ酸、ベータカロテン、ビタミンB群、カルシウム、そして鉄分が豊富に含まれています。お茶を楽しまれた後のクコの実は、そのまま美味しいおやつとして召し上がっていただけます。
静岡産の有機茶葉をじっくりと熟成させ、伝統的な『黒麹菌』で発酵させる独自の製法により仕上げた『Rose茶(ロゼ茶)』。自然の恵みであるポリフェノールやクエン酸が豊富に含まれています。 キャラメルのようなまろやかな甘みと、繊細な花の香りが溶け合う奥深く豊かな味わい。その美味しさと心地よさは、冷え込む冬の日にぴったりの一杯です。
古茶樹の聖地であり、伝説的なプーアル茶の故郷として知られる雲南省臨滄市。その山深く、樹齢五百年を数える古木から、この特別な紅茶は生まれました。シルクのように滑らかで、ベルベットを思わせる艶やかな口当たり。時を重ねるほどに深みを増す、葡萄のような芳醇な香り。甘く華やかで気品ある味わいは、冬を彩る至福の一杯です。
雲南省臨滄の霧深い高地、大雪山。そこは樹齢数百年の古茶樹が息づく、知る人ぞ知る楽園です。樹齢三百年の古木から生まれた、金色の新芽が混じる長くふっくらとした茶葉。マスカットや熟したアプリコットを思わせる、甘く芳醇な味わい。冬の午後のひとときや、お茶好きの方への贈り物にもぴったりです。
小ぶりな青みかん「小青柑」の中で、10年の歳月をかけて熟成された熟プーアル茶。柑橘の爽やかさと、ウッディな香りが深く溶けあいます。何煎も楽しめ、杯を重ねるほどに味わいは滑らかに。大人数で囲む茶席や、心ゆくまでお茶と向き合う一日にぜひ。
雲南省冰島村の高地に育つ、樹齢150〜200年の茶樹から作られた生プーアル茶。2021年春の収穫分は、まろやかで自然な甘みを持ち、軽やかな花や果実の香りに、プーアル茶特有のかすかなスモーキーな後味が重なります。何煎も楽しめる上、時を重ねるほどに熟成が進み、味わいはさらに甘く深く移ろいゆきます。
ウッディでスモーキーな、冬の烏龍茶
深く焙煎された中国の黒烏龍茶は、冬のひとときに最適。武夷岩茶や鳳凰単叢のように、じっくりと火入れされた黒茶は寒い季節に寄り添う、温もりのある性質を持つものとして親しまれてきました。豊かな味わいは、寒い季節に格別の心地よさを届けてくれるでしょう。
武夷岩茶
福建省北部の武夷山脈で育つ烏龍茶。ミネラル豊富な岩場という過酷な環境が、その力強い個性を育みます。丹念な焙煎が引き出す、トーストやチョコレートのような温かみのある香りが、冷え込む季節に安らぎを与えてくれます。
鳳凰単叢
他のどの産地とも異なる、鳳凰山脈の烏龍茶。涼しく湿潤な斜面の火山性土壌で育つこのお茶は、驚くほど香りが高く、他とは一線を画す鮮やかな花や果実の個性を放ちます。
多彩な鳳凰単叢を巡る旅 — 新たな味わいを探求する、すべての方へ。
5つの香型と、5つの伝統的な品種を詰め合わせた特別なアソート。それぞれ2回分(6g)ずつ、個性豊かな10種の物語。
長い歴史を誇る「武夷四大名叢」の一つ。ジンジャーブレッドや蜂蜜を思わせる芳醇な香りは、クリスマスシーズンを彩る最高の一杯に。
伝説の岩茶、大紅袍。なかでも金賞に輝いたこちらの一品は、フルーティーでミルクを思わせる柔らかな香りと、ウッディでスパイシーなボディを併せ持ちます。うっとりとするような岩韻は長く残り、煎を重ねるほどに、心を揺さぶり続けます。その一杯は、心と体の両方を深く温めてくれるでしょう。
武夷山の牛欄坑で、太陽と清らかな水に育まれた最高級の岩茶です。
茶葉からは、ドライプルーンやカカオ、そしてフレッシュなバニラが織りなす複雑で芳醇な香りが立ち上ります。大地の力強さと果実味が重なる濃厚な味わいも魅力。岩茶らしいミネラル感と香ばしさが、寒い冬に冷えた体を芯から温めてくれます。
深い香りに癒される〜冬を彩る緑茶
緑茶に含まれるカフェインとアミノ酸(テアニン)。すっきりとした気分と共に、穏やかな心地よさをもたらしてくれるのは、この二つの絶妙なバランスのゆえ。一息ついてリラックスしたい時も、気持ちを切り替えて集中したい場面でも、緑茶は心強い味方になってくれることでしょう。

テアニンは1950年に酒戸弥二郎博士によって発見された、お茶特有の成分。緑茶10gに含まれるテアニンはおよそ200mg。お茶ならではの爽やかな甘みと深い旨みを与えてくれます。
そんな緑茶の中でも、今回ご紹介するのは特に香りの豊かなものばかり。その芳醇な風味で心身を優しく包み込んでくれるような温かな一杯は、寒い冬のひとときにもぴったりです。
京都府和束町産の「やぶきた」品種を使用し、強めに火を入れて香ばしさを引き出したプレミアムな煎茶です。カシューナッツやパンプキンシードを思わせる、芳醇な香りが特徴。
一煎目はナッツのよう。二煎目は新緑のような清々しさが楽しめます。シルクのように滑らかな口当たりと、栗のような甘い香り。寒い季節に緑茶の爽やかさを楽しみたい、そんなひとときにぴったりな一杯です。
佐賀県産の「やぶきた」品種を使用した、釜炒り緑茶。おだやかな苦味の中に、新緑のような清々しさと、かすかにベリーを思わせる華やかな香りが重なります。釜で炒ることで引き出された、アーモンドを思わせる長く続く余韻が特徴。寒い季節には、少し熱めのお湯で淹れていただくと、これまでの緑茶のイメージを覆すような、力強く厚みのある風味を楽しめます。
浙江省安吉県で、春のわずかな期間にのみ摘み取られる希少な品種「白葉一号」。その繊細な白い新芽は、淹れた瞬間にシナモンロールやカカオの香りで部屋を満たしてくれます。
お茶本来の甘みに満ち、口当たりはなめらかでクリーミー。アーモンドクッキーやカカオの樹のような香りが、心地よい安らぎを届けてくれます。一般的な緑茶の約4倍のアミノ酸を含み、柔らかく安らぐような余韻を残します。冬にぴったりな一杯です。
西湖・杭州産の、中国緑茶を象徴する銘茶。保護対象である希少な「龍井43号」から作られ、その姿・香・味・色の「四絶」で知られています。平らな黄緑色の茶葉は香りに満ち、雑味のない、透き通るような甘みを持っています。
味わいは芳醇な香ばしさに満ち、ローストしたヘーゼルナッツやマカダミア、トウモロコシのようなコクに、かすかなバニラの面影が重なります。リッチでありながら優しく、温もりを求める寒い日にふさわしい一杯です。
三重県産の「やぶきた」一番茶から、さらに選りすぐった茎のみを使用した、贅沢な棒茶です。 遠赤外線でじっくりと、芯まで均一に火を通すことで、焦げ付きのない深く穏やかな香ばしさを引き出しました。なめらかで香ばしく、雑味のない焙煎香が心地よい安らぎを与えてくれます。 カフェインが控えめなため、夜のリラックスタイムにも最適です。
温もりを逃さない 冬の茶器
そのための工夫の一つに、お茶を抽出している最中の急須の上から、熱湯を注ぎかけるという方法があります。こうして外側からも温めると、お茶の温度を理想的な熱さに保つことができるのです。これは、紅茶や烏龍茶、プーアル茶などの発酵度の高いお茶を楽しむための大切な手順です。
この淹れ方は、中国茶を淹れる時によく見られる作法。たっぷりの熱湯を上から注ぎかけるには、それを受け止める「茶盤(ティー・トレイ)」が欠かせません。



もう一つの大切な工夫は、熱をしっかりと保ってくれる素材の茶器を選ぶこと。
例えば、肉厚な陶器の急須は、温もりを内側に閉じ込め、お茶の時間を終えるまで温かさを保つのに役立ちます。茶碗や湯呑の「形」もまた重要。背が高く、口の窄まった「筒形」の茶器は、熱が逃げるのを遅らせ、最後の一口まで温もりを届けてくれるのです。素材、厚み、そして形。そのすべてが重なり合って、冬の一杯をより豊かなものにしてくれます。
こうした道具選びは、実用的な面はもちろん、冬を楽しむための大切なエッセンスでもあります。素材の質感や心地よい重み、安定感のある姿は、目に触れるだけで心に安らぎを運んできてくれるもの。冬には、どこか素朴でどっしりとした佇まいの道具がよく似合います。
本格的な中国茶のしつらえを、もっと自由に、日々の暮らしへ。
機能美とシンプルさを兼ね備えた、使い心地のよい茶盤です。
排水機能を備え、強い耐久性を誇るベークライト製。 溢れる水を気にすることなく、茶器やお茶を温めるのに最適です。
体を温める性質を持つ中国茶や和紅茶にぴったりのサイズ。後手の急須は、熱いお湯を注いでも持ちやすく、外側からお湯をかけて温める際もスムーズです。素朴な気品と頑丈な作りを兼ね備えたこの一器は、冬のティータイムに温かく心地よい彩りを添えてくれます。
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冬の茶器コレクションにぜひ加えたい一品。モダンなデザイン。緑茶、烏龍茶、紅茶、黒茶など、あらゆる中国茶を楽しむのに最適なサイズ。素朴さと力強さを併せ持つ冬らしい佇まいに仕上がっています。
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